珈琲とキッチン



みなさま、夜をいかがお過ごしでしょうか。先の初投稿で味をしめました、トロントです。

春の夕凪に誘われ、足を運んだは我らがアジト、シャンソン物語。避難はしごの向こうの小さな扉から差し込む、柔らかな光にまどろみながら、本日の珈琲・コロンビアをいただいてまいりました。

深く香ばしい珈琲を口に含み、店内に流れる音楽に耳を傾けます。なんて贅沢なひとときなんでしょう。隣の机では一人の紳士が私には到底理解のできないと思われる、細やかな毛細血管の様な道が描かれた地図を机一杯に広げ、うんうん唸っておられました。

それにしても、珈琲とは摩訶不思議な飲み物ですね。私が生まれて初めてブラック珈琲を口にしましたのは、懐かしき高校一年生の春、アルバイト先の珈琲店でした。

挽きたて・いれたての珈琲をおそるおそる口にした際の感動たるや。その芳醇な香り、口腔内に広がる颯爽とした苦み。私は、夏の飲み物の代表・麦茶を連想いたしましたことをはっきりと覚えております。

夏の日の麦わら帽子。焼けた肌に覗く白い歯。なぜかひどく懐かしく、それでいて新たな境地に立ったような感覚。その珈琲が、16歳の小さな胸の中に一粒のトキメキを与えました。

時は進んでミサワクラス。3.11の震災へのリアクションとして『コーヒーエイド』という活動を始める以前から、ミサワの住人達は珈琲がそれはもう大好きで、キッチンに集まれば珈琲、珈琲が飲みたければキッチンへという、流れが完成しておりました。

(コーヒーエイドについては、以前ブドューニャ姉様がキッチンジャムにて煮込み済みでしたので、僭越ながら愛を込めて割愛させていただきたいと思います。)

住民の、住民による、住民のための珈琲は、至福の味がいたします。まさに、コーヒーエイド。癒し、癒され、コミュニケーションを円滑にするお薬です。(コーヒーエイドという名前は、珈琲とバンドエイドを掛けたオモチロオカチイ名前なのです。)

誰かが珈琲をいれれば、どこからともなく住人達が集まり出し、気付けば珈琲に混じって麦酒の缶の封を切る。とっておきのお菓子を部屋から持って来る。そしてそこから夜な夜なキッチンジャムが開かれる。と、このような具合です。

きっと、これからも私たちはキッチンで珈琲を飲み、生活を共にしていくのでしょう。

さて、こんな事を書いておりましたら、珈琲が恋しくなってまいりました。ちょっと、珈琲をいれてきたいと思います。

それでは次のトロントをお楽しみに。

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キッチンジャム:コミュニティ|COMMUNITY

キッチンジャムって?|キッチンジャムのご紹介

「Rコモンズ」シェアアパートメントのミサワクラス、花小路トランクに住まう8人の女の子たちのリレーエッセイ。キッチンに共通した「ジャム」をきっかけに、キッチンで話す、食べる、つくる、それぞれのキッチンでまき起こる女の子たちのぺちゃくちゃな会話を素材に、ぐつぐつと新しいジャムを作ります。

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